目が覚めた。

目を開けてすぐ目に入ったのは、見慣れた花柄模様のカーテンだった。

 携帯で時間を確認すると、朝の7時15分だった。

今起きるのは早いと思ったから、もう一度眠りについた。

今日は土曜日だ。

 

少しだけ、何かを忘れていた気がした。

 

 目が覚めた。

驚いた。

目を開けてすぐ目に入ったのは、見慣れた花柄模様のカーテンでは、なかった。

声が出なかった。でも、貴方が口を開いた。

「約束ほったらかして何寝てるんだィ。それとも寝坊か?」

その一言で、すべて思い出した。

3日前、学校帰りに約束したのだ。

土曜日は暇だから2人で適当に遊びに行こう、と。

私はこの日を楽しみにしていたはずだ。

いや、楽しみにしていた。

なのに、

忘れて寝ていた、なんて。

総悟はちょっと不機嫌そうだ。

そりゃ、そうだ。きっと総悟も楽しみにしてたよね。

 

ごめんね

 

その思いをこめて、

何も言わずに起き上がって、

貴方の唇にキスをした。

私からしたのは、初めてだった。

だから、唇が離れた後の総悟は、驚きと照れを隠せずにいた。

「おま・・・っ」

「ごめんアル、今から準備するからちょっと待っとくネ」

総悟の不機嫌そうな表情はなくなっていた。

微笑んでいた。

 

もうちょっと、積極的になってもいいかな、なんて思ったりもした。

大好きな貴方の為になら。

 

その後のデートは、いつもより楽しかった。

 

                         ある土曜日の朝のこと。