あの空は、手を広げれば今にも翔んでゆけそうで。

あの雲は、

手をのばせば今にもつかめそうで。

でもそれらはいずれも、

現実にはならなくて。

その姿は今のわたしとどこか似ていて。

 

 

蜂蜜色の綺麗な髪。

黒い隊服に包まれた広い背中。

意地悪そうに笑う、そのすべてを。

わたしは追いかけて、追いかけて。

手をのばせば届きそうな距離。

貴方はどう思っているの?ねぇ、知りたい。

でもわたしの想いを伝えてしまえば、今までの関係、崩れそうで。

それが、怖くて。

その一言で、離れてく気がするから。

届きそうなのに、つかめない。つかみたい。

わたしの大事な、貴方という存在。

おねがい、きづいて、わたしのきもち。

 

貴方は、どう思っているの?

 

 

             その距離は、一寸でも、一里でも。